❶認知症のご家族を持つ方へ

認知症は放っておくと3年で軽度認知障害から要介護状態の認知症へ進行する病気と言われています。その原因は脳にあり、暴力的になってしまったり、被害妄想が出たりすることがあります。しかし、精神の疾患ではなく、神経の疾患の一つにくくられています。脳神経細胞の異常が行動させているだけでその人が変わってしまったわけではありません。
認知症への対応は原因となる物質や神経細胞死を防ぐことで悪化させないことが重要になります。
また、それ以上に心を止めなくてはいけないのが認知症のご家族を介護なされるご自身の状態です。
介護というのはとかく労力のいるもので認知症のご家族を持たれた方は将来が不安になられていると思います。
認知症とはどんな病気なのか、不安材料として何があるのか、そしてどんな対策があるのか、どのような相談場所があるのか、を知り安心して家族の認知症と向き合っていただければと思います。

認知症のパターン
アルツハイマー型認知症 アミロイドβというタンパク質により脳が委縮する。
特に海馬が委縮しやすく物忘れが生じやすい。
日本の認知症の50%以上を占める。
レビー小体型認知症レビー小体というタンパク質により脳神経細胞が壊れる。
パーキンソン症状や幻視が起こりやすい。
前頭側頭型認知症
(ピック病)
脳の前頭葉、側頭葉が委縮する。
万引きなど、社会ルールを逸脱した行動をとってしまう。
血管性認知症脳梗塞などの2次障害として起こる。障害を受けた脳神経細胞の場所で症状は変わる。
その他タウタンパク質によるものや甲状腺疾患などで認知症状が出ることがある。
認知症の症状

記憶障害(もの忘れや、さっき起きた出来事が思い出せない、覚えていたことや知っている人の名前が思い出せないなど)、見当識障害(年月日や時間、季節、場所、人物などが分からなくなる)等の中核症状と呼ばれるものから始まり、イライラ、不安、抑うつ、徘徊、幻覚、被害妄想等の周辺症状が出始めます。
認知症という病気は決して「物忘れが多くなる」というだけでなく、周囲の人の大きな影響を与える病気です。

認知症の治療・認知症の進行

認知症の薬のなかには進行を一次的に遅らせられるという薬が最近、出ましたが画期的な効果があるわけでもなく、ましてや完治させるような薬は存在しません。症状が少ないうちは介護をしているという感覚は無いですが、今までできていたことが出来なくなり、症状が進行すると排便排尿や食事も一人ではできなくなり、終日の介護が必要となってきます。
認知症は「今」が最もいい状態である。という事を理解しておく必要があります。
進行の速さやどのタイミングで急に生活に支障が出始めるかを予測するのは困難ですのであらかじめ介護体制を調えておく必要があります。
また、介護をされている人も「一生懸命介護しているのに、状態が悪化するなんて・・・・」と思ってしまうと介護者が落ち込み、うつ状態になることもあります。
「こうすべき」とか「こうなるはず」という考えは捨ててその時の状況に合わせて行動できるようにしておくことが介護疲れの2次被害を減らすコツです。

認知症は介護保険対象

40歳以上の人は認知症などにより介護を必要とする状態(要介護状態)になったり、家事や身じたく等、日常生活に支援が必要な状態(要支援状態)になった場合、介護保険のサービスを利用できるようになります。市区町村の窓口や福祉事務所、地域包括支援センターなどに窓口がありますし、要支援1の状態でも訪問入浴介護や防訪問リハビリのサービスなどが利用できます。
介護を一生懸命される方やまじめな方は「最後ぐらいは面倒見たい」「施設に入れるのはかわいそう」「全部自分でやらないと後悔する」等の気持ちが働いたりします。また、蚊帳の外から「施設に入れるなんてかわいそうと思わないの?」「昔は家族が全部見たものだよ」とか「私が近くにいたら全部面倒見るのに」とか言われたりすることもあります。
介護者にストレスがたまると患者に対してつらく当たってしまったりすることがあるかもしれません。認知症の人は怒られたという物事を忘れてしまうかもしれませんが、感情が無くなっているわけではないということを覚えておいてください。負の感情はうつや精神疾患の原因となります。
適切な時期で施設を利用することは本人にも介護者にもプラスになりますので一人ですべてを背負わず、「なんでも頼る精神」「他力本願」の気持ちで長く付き合ってください。

当店での認知症患者、そして認知症患者を介護する方へのサポート

先述の通り、認知症の特効薬的な物は存在せず認知症を改善させるという病院治療薬はありません。しかし、機能性表示食品では認知機能の一部である記憶力の維持に効果があるとされているサプリメントがあります。ホタテ由来のプラズマローゲンという成分がアルツハイマー型認知症に関する臨床試験で症状が改善されるというデータがあります。
アルツハイマー型認知症などでは脳血管壁にアミロイドβが付着しているという事、そして脳内のマクロファージ(ミクログリア細胞)という免疫細胞がアミロイドβを除去する作用があることが分かっていますので免疫の立て直しと血流の改善はやはり必要になります。
また、認知症患者だけでなく、介護者にも更年期、中年期の問題、寝不足などによる免疫力低下の問題が出てきがちです。
特に寝不足などは(患者も含む)明らかに免疫力を下げ風邪やインフルエンザにかかり易くなります。また、長期的な睡眠不足が続くとリウマチなどに代表される自己免疫疾患やうつ病などの精神疾患の発症リスクが高まります。
免疫力の低下は気づきにくいもので、生活の指導や予防のために免疫力を整えるサプリメント等をお勧めさせてもらいます。
当店でもご相談になれること、お力になれることがあると思います。お気軽にお話しください。